コロナ感染予防のために自粛を求められた数か月間、外出や人とのつき合いを控えるなど今まで通りの生活ができなくなりました。
支援する会では、会員の方に、①自粛中こんなことをしていました、②こんなことで困りました、③こんなハッピーなこともありました、④現在の状況、⑤ちょっとお勧めの情報があれば、についてアンケートを実施しました。
55名からの方から回答いただきました。まとめましたので、報告します。
【はじめに】
アンケートを集計する作業は、以下のようにしました。
1)類似した内容は整理して一つの項目に分類しました。
2)空欄だった方や一人で複数の意見を書かれている方もいるので、各項目の回答の合計は総数(55名)と一致しません。
3)各設問ごとに、小まとめ的に整理者の感想・意見を書きました。
【設問① 自粛中、こんなことをしていました】
「特に何もしなかった」「ぼ~としていた」という方もおられましたが、「家にこもっていた」中でしていたことでは、「家事(料理、物の片づけ、庭仕事など)」が16名で一番多かったです。続いて「パソコンでゲーム・インターネット」6名、「散歩」5名、「テレビ・DVDを観ていた」5名、「ペット(犬、メダカ、カブトムシ)の世話」3名、他に「趣味活動をしていた」方も結構おられました。具体的には、ピアノ練習、英語勉強、読書、絵を描く、スクワット、ひなたぼっこ、マスク作りボランティア、切紙などでした。趣味があるのはいいことですね。
利用者の多くが「それまでのように通所していた」という回答でした。かがやき神戸の関連施設は自粛期間中も開所していたことがわかり、利用者と職員の頑張りに拍手を送りたいです。
【設問② こんなことで困りました】
全体的には、やはり「出かけられなかった」が13名と多かったです。具体的には「実家に帰省できなかった」「入院中の知人に面会できなかった」という大変な事例もありました。また「人と会えなかった」「人と話していない」が5名、「イベント・コンサートが中止で残念」5名(「あじさいバザーしたかった」など)の回答がありました。また、ステイホームの影響から「運動不足」3名、「体調管理が難しかった」2名があがりました。さらに、これらのことが重なってのことでしょうが「ストレスがたまった」が8名で、うち2名は「家族とトラブルがあった」と回答していました。自粛中の心理的な大変さを物語っているようです。
一方、「マスクや消毒用アルコールの不足」2名、「発熱したのに、保健所に問い合わせても症状がないからとPCR検査を受けられなかった」「感染への不安がずっと続いている」といった回答がありました。感染予防に留意しながらも生活を再建するためにも公的な施策で改善されることが望まれます。
家族、職員それぞれで困ったことでは、家族からは「送迎で疲れた」「通所したがらなかった」といった回答が、職員からは「利用者に感染の危険性(人との接触やお喋りなど)をわかってもらうのが難しかった」という回答がありました。家族支援や利用者への説明と同意は、コロナ禍の期間に限ったことではない日常的な課題として対応策を工夫、検討していくことが必要でしょう。
【設問③ こんなハッピーなこともありました】
一番多かったのは「特になし」10名でしたが、ハッピーな回答もたくさんありました。
利用者からは「通所を続けられた」2名、「グループホームがあってよかった」2名、「施設でメンバー・仲間と楽しめた」2名、「職員と外出した」2名、「職員が訪問してくれた」2名、「職員が電話をくれた」2名の回答がありました。自粛中も施設が開所していたこと、職員がかかわり続けていたことが評価されたのでしょう。職員の皆さんの努力は立派に伝わっていました。
また、前向きに受け止めた回答として「普段できないことができた」3名、「社会の変化の中でいろいろ考える機会になった」3名、「インターネットやLINE(ライン)、Zoom(ズーム)を利用する機会になった」3名、「家族と過ごす時間が増えた」2名、「散歩が増えて健康に役立った」2名、といった回答もありました。まさに、ピンチをチャンスに、です。
ちょっとユニークなものでは「ステイホームで節約できた」「定額給付金で買い物した」のチャッカリ回答や「温泉に行った」「明石城に行った」のお出かけ回答、マスクに関連して「手作りマスクをもらった」「マスクの着用で大声が減った」という回答もありました。ハッピーで楽しい体験はポジティブなエネルギーになります。
【設問④ 現在の状況】
「夏バテです」1名はありましたが、「通所・仕事を続けている」3名、「手洗い・マスク・検温を続けている」3名、「ラジオ体操・ストレッチを続けている」3名、「散歩を続けている」3名、「近場を選んで出かけている」1名の回答がありました。引き続きしっかりと感染予防に向き合った生活習慣を続けていることがわかります。東京や大阪で感染拡が心配される中、今後もかがやき神戸全体で取り組みたいことです。
他には「じっくり話すことが大切だとあらためて思った」「(自粛期間中は)インフルエンザや風邪が少なかったように思う」「今後はもっと簡単にPCR検査が受けられるようになればいい」といった、これからの展開に役立つ意見もいただきました。
【設問 ちょっとお勧めの情報があれば】
いくつか回答をいただきました。
「マスクは息苦しいがフェイスシールドは楽」「くろーばぁのピザトーストがおいしい」「JRの格安チケットはお得」「◯◯ラーメン店の餃子は美味しい」「ユーチューブでダンスとかが見られる」「リモートで講演会などが開催されているので行かなくても視聴できる」「コカリナ演奏会が楽しみ」など。
【おわりに】
回答で印象に残ったのは「かがやき神戸での感染0(ゼロ)は素晴らしい!」という言葉です。コロナ禍のしんどい期間をしのげたのは、利用者個々の「いつもの生活」を続ける力、家族の暖かく細かい支える力、職員の粘り強い配慮と工夫が組み合わさったからでしょう。アンケートを通して「かがやき神戸」のできていることと今後の課題が見えたように思います。(文責:平尾)